コラム
初版と重版(増刷)
印刷
以前、出版関係の会社の方から『初版は作者と編集者や携わる多くのスタッフが魂を込めて作り上げる集大成であり、それが重版(増刷)となった時は言葉では言い表せないほどの喜びがある』と、お話を聞いたことがあります。
それは苦労が報われたという事もありますが、重版には0から作成する労力や時間をかけずに、作品自らが独り立ちしてくれたという想いもあるようです。
私が担当している印刷営業の仕事はどうでしょうか?
印刷に携わる営業はお客様の意向を印刷物に反映させるための橋渡し役ではありますが、そのためにはお客様と同じ意識・温度感を持たないとお客様からの信頼を得る事はできません。
良い印刷物を作るために色の調整で苦労したり、印刷の立ち合いを行なったり、納品まで決して手を抜くことが出来ないほどの緊張の連続です。
そうして出来上がった印刷物が重版となったとき、それは出版社の方が話されたことと同じ喜びがあります。
例えば旅行のパンフレットも、有名な観光地のパンフレットの方が重版の可能性は高いのですが、そういった案件を頂くには、やはりお客様からの日々の信頼を得なければなりません。
そして制作から受注し、納品までとても長く険しい道のりの印刷物も、重版となれば、お客様と『重版出来(じゅうはんしゅったい)!』と幸せな話題で盛り上がるものです。
重版は作成に費やす時間が大幅に短縮されます。
でもそこを狙うのではなく、初版・重版を分け隔てなく、すべての印刷物に対して[良いものを作るという情熱・こだわり、同じ意識・同じ温度感を持って魂を込める事]が、結果的に重版に結び付くものと思っています。
営業部 K