コラム
非日常の一歩先で出会える景色
夏らしく海の話題を。
ここ数年はシュノーケリングを細やかな趣味としていますが、数年前に遭遇した素晴らしい景色の話をしたいと思います。
南伊豆の妻良(めら)に夏だけ『渡し』で行ける谷川浜という無人島感溢れる浜があり、海好きには刺激的なフィールドが広がっています。
あわびや稀に伊勢海老が捕れたり、浮かびながら泳ぐ魚を観察したり、少年心がくすぐられること受け合いです。
因みに私は断崖沿いに空いた洞窟巡りが特に好きなのですが、数年前、浜から300m程度断崖沿いに泳いだ先で忘れもしない景色に出会いました。
そこは海面から15m位空いた洞窟で、暗い穴に魚の群れに誘われるように中に入り、10m程度内側から入り口を振り返ると、海面から底まで青に輝く『青の洞窟』が広がっていたのです。
更に潜ると陽射しが海面を抜けて海中を照らし、筆舌に尽くし難い蒼さを全身で吸収するという贅沢な体験をしました。
それ以来毎年通いましたが、その景色を見られたのはその時だけで、海の状態と陽射しの絶妙なタイミングを得ることは出来ず、とうとう4年前にそのエリアには立ち入ることが出来なくなってしまいました。
この他に南伊豆には『渡し』で行ける浜はいくつかありますが、最近は知名度が上がり首都圏からのレジャー客で過密になり、海の綺麗さと自由度が失われつつあります。
今年は日本海側の海に足を伸ばしましたが、首都圏から適度に距離があるため、管理されすぎず穏やかな浜は開拓甲斐があると感じました。
さてこの趣味は潜れば潜るほどに危険度も高まり、リスク管理を求められるようになります。
100%安全な趣味は刺激が無く、やがて飽きてしまいますが、経験と技術を高めリスク20%、備え80%で楽しんでいくのが非日常を味わえ長く続くコツではないかなぁと私は考える次第です。
皆様も備えを頭に入れつつ非日常に触れ忘れられない景色に出会ってください。
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