コラム

進歩と衰退

DTPが当たり前の現在から40年以上前、製版作業は、ほぼ手作業で行っていました。

先方から版下と指定紙を支給され、版下を撮影したネガフィルムを元にマスクを作成し、指定された色、絵柄を配置し、4枚(YMCK)のポジフィルムを作成します。

絵柄、平網、文字が複雑に重なり合っていると、かなりの手間と作業時間がかかりました。フリーで製版をしていた人の中には、月に100万円を稼ぐ職人が結構いたと聞いています。手作業の為、自分の使用する筆、ハサミ、カッターなどの道具にはこだわり、大事に使用し、はさみは砥石で研ぐこともしていました。

コンピューターとソフトの進歩により手作業の製版はみるみるうちに無くなって行き、制作と製版の垣根は無くなってきています。

「昔はよかった。」などとは少しも思いませんが、自分が若い頃に習得した技術が、必要とされなくなり、無くなっていくことは寂しいものです。

 

印刷進行課 I

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